文部科学省所管独立行政法人の平成14年度における業務実績等の評価についての所見

平成15年8月29日
文部科学省独立行政法人評価委員会
委   員   長         神   田   道   子

   文部科学省独立行政法人評価委員会は、昨年3月に定めた「文部科学省所管独立行政法人の業務実績評価に係る基本方針」に基づき、別紙のとおり評価書を取りまとめました。
   当委員会が評価を実施した際の基本的考え方と、評価結果を概観した上での委員長としての所見は、以下のとおりです。

1.    独立行政法人通則法の規定に基づき、当委員会が行う評価については、各事業年度の業務の実績評価と中期目標に係る業務の実績評価の2種類があります。今回、当委員会が行った評価は、文部科学省が所管する16の独立行政法人についての平成14年度の業務実績の評価(以下「平成14年度実績評価」という。)と、教員研修センターについての中期目標に係る業務の実績に関する暫定的な評価(以下「中期目標期間に係る暫定評価」という)です。
   
2.
(1)    平成14年度実績評価は、全体的な評価と項目別の評価により行っております。
   当委員会が評価の対象する独立行政法人は、活動範囲が教育・科学技術・文化の幅広い分野にわたり、業務形態も互いに大きく異なることから、上記の基本方針に示された共通の枠組みに従いつつ、各法人の業務内容に応じた評価基準・指標を個別に設定し、評価を実施しております。
   したがって、段階別評定をもって法人間の相対的な比較を行うことを意図したものではありません。

(2)    また、評価結果を平成16年度の予算概算要求等に適切に反映するため8月中に全ての評価を終了できるよう昨年に比べ一ヶ月以上前倒しして評価を行うとともに、評価方法についても、トップマネジメントの評価において、その対象を理事長に加え、理事・監事についても拡大するなど、昨年度の評価の経験を基に改善を加えました。

(3)    これらの評価の結果から、各独立行政法人の業務は概ね適切に実施されていることと考えます。評価の対象年度である平成14年度は、独立行政法人が発足して2年目でありますが、理事長等の主導のもと、多くの法人において業務内容の改善や意欲的な取り組みが見られたのは喜ばしいことです。
   当委員会としては、各独立行政法人及び文部科学省が、これらの評価結果を活用して業務の一層の改善に役立てていただきたいと思います。

3.
(1)    一方、教員研修センターにつきましては、平成15年度で中期目標期間が終了いたします。
   独立行政法人通則法上で規定している中期目標に係る業務の実績に関する評価は、中期目標期間終了時に行うこととしておりますが、当委員会としては、これに先立ち、評価の結果を次期中期目標期間の開始年度の平成16年度の予算概算要求作業等に反映できるよう、最終年度の一年前までの業務の実績をもとに、中期目標期間に係る暫定評価を実施致しました。

(2)    評価にあたっては、中期目標の達成状況につき全体評価と項目別評価を実施するとともに、今後の当該法人の在り方についても意見を記載しました。
   当委員会としては、当センターの業務の見直し、改善や次期中期目標、中期計画の策定が行われる際、本評価結果が適切に活用されることを期待しています。

4.    独立行政法人に係る評価は、まだ日が浅く、改善すべき点は多々あると思います。特に、各法人の規模、事業の性格等に応じた厳正な評価、文部科学省が各独立行政法人に対し資源配分をするにあたっての根拠となるような一層精度の高い評価、法人の評価等のトップマネジメントの評価とその反映などといった点につきましては、当委員会の今後の課題と認識しております。
   当委員会としては、今後とも、評価手法等の一層の改善を図り、納税者に対する説明責任という課された責務を全うできるよう努めていきたいと考えています。

-- 登録:平成21年以前 --