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文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護計画

平成17年10月13日
17文科施第231号
文部科学大臣・スポーツ庁長官・文化庁長官決定

沿革
 平成19年1月9日 18文科施第434号 変更
 平成19年10月5日 19文科施第248号 変更
 平成20年10月24日 20文科施第303号 変更
 平成21年11月11日 21文科施第155号 変更
 平成25年3月22日 24文科総第287号 変更
 平成26年5月9日 26文科総第14号 変更
 平成27年4月1日 26文科総第211号 変更
 平成27年12月15日 27文科総第177号 変更
 平成28年3月29日 27文科総第250号 変更

目次

第1章 総論

  1. 計画の目的
  2. 用語の定義
  3. 計画の目標
  4. 計画の適切な見直し及び充実
  5. 文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護計画実施要領

第2章 国民保護措置の実施体制の確立

第1節 組織・体制等の整備

  1. 文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護連絡会議の設置
  2. 連絡体制及び参集体制の整備
  3. 国民保護措置の実施機能等の確保
  4. 国民保護措置に関する職員の研修等

第2節 武力攻撃事態等における活動体制の確立

  1. 文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護対策本部の設置
  2. 職員の派遣
  3. 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁を含む首都圏が被災した場合の措置

第3章 国民保護措置の実施に関する基本的な方針に関する事項

  1. 基本的人権の尊重
  2. 国民の権利利益の迅速な救済
  3. 国民に対する情報提供
  4. 関係機関相互の連携協力の確保
  5. 安全の確保

第4章 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁が実施する国民保護措置に関する事項

第1節 平素からの備え

  1. 所管の関係機関における計画等の整備
  2. 国民保護措置に関する啓発
  3. 国民保護措置に関する訓練
  4. 武力攻撃災害の予防対策
  5. 国民保護措置に関する研究活動等の効率化と強化

第2節 武力攻撃事態等への対処に関する措置

  1. 情報の収集及び伝達
  2. 国民保護措置に関する広報活動
  3. 安全の確保に関する措置
  4. 所管の関係機関による安否情報の収集に対する協力
  5. 教育研究活動に関する応急措置
  6. 所管の関係機関の活動に関する応急措置
  7. 武力攻撃災害発生後における清掃防疫その他の保健衛生
  8. 武力攻撃災害に対する危険物質等の保安
  9. 被災者の救護活動への連携,協力
  10. 赤十字標章等及び特殊標章等の交付等

第3節 武力攻撃災害の復旧に関する措置

  1. 復旧,復興事務体制の整備
  2. 文教施設等の復旧
  3. 教育研究活動等の再開
  4. 武力攻撃事態等への対処に関する研究活動の推進

第4節 医療活動の実施に関する措置

  1. 平素からの備え
  2. 武力攻撃事態等への対処に関する措置
  3. 武力攻撃災害の復旧に関する措置

第5節 武力攻撃原子力災害に関する措置

  1. 平素からの備え
  2. 武力攻撃原子力災害への対処に関する措置

第6節 指定文化財等の保護に関する措置

  1. 平素からの備え
  2. 武力攻撃事態等への対処に関する措置
  3. 武力攻撃災害の復旧に関する措置

第5章 緊急対処保護措置の実施に関し必要な事項

  1. 緊急対処事態対策本部の設置
  2. 緊急対処保護措置の実施等

別表 生活関連等施設の安全確保の留意点の対象となる生物剤及び毒素

  1. 人に病原性を有する生物剤及び毒素
  2. 家畜に病原性を有する生物剤

第1章 総論

1 計画の目的

 この計画は,武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成16年法律第112号。以下「国民保護法」という。)第33条第1項及び第182条第2項の規定に基づき,文部科学省、スポーツ庁及び文化庁の所掌事務について,武力攻撃事態等における国民の保護のための措置(以下「国民保護措置」という。)及び緊急対処事態における緊急対処保護措置に関する必要な事項を定め,もって国民保護措置等(国民保護措置及び緊急対処保護措置をいう。以下同じ。)の的確かつ迅速な実施に資することを目的とする。

2 用語の定義

 この計画において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1)学校等

 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校,同法第124条に規定する専修学校及び同法第134条第1項に規定する各種学校をいう。

(2)社会教育施設等

 公立社会教育施設,公立社会体育施設及び公立文化施設をいう。

(3)研究開発機関等

 大学共同利用機関法人及び独立行政法人(物質・材料研究機構,防災科学技術研究所,宇宙航空研究開発機構,日本原子力研究開発機構,放射線医学総合研究所,科学技術振興機構,日本学術振興会,理化学研究所,海洋研究開発機構)をいう。

(4)所管機関等

 所管機関(国立教育政策研究所,科学技術・学術政策研究所,日本学士院,日本芸術院),認可法人(公立学校共済組合),特殊法人(日本私立学校振興・共済事業団)及び独立行政法人(国立特別支援教育総合研究所,教員研修センター,大学入試センター,国立女性教育会館,国立科学博物館,国立美術館,国立文化財機構,日本スポーツ振興センター,日本芸術文化振興会,日本学生支援機構,大学評価・学位授与機構,国立大学財務・経営センター,国立青少年教育振興機構)をいう。

(5)大学病院

 国立大学法人の設置する国立大学の附属病院をいう。

(6)所管の関係機関

 前各号に定めるものをいう。

3 計画の目標

 この計画において,次に掲げる目標の達成に努める。

 (1)学校等における幼児,児童,生徒,学生(以下「児童生徒等」という。)及び教職員,大学病院における職員及び患者等,社会教育施設等の職員及び利用者並びに研究開発機関等及び所管機関等の職員等の生命,身体の安全を図ること。

 (2)武力攻撃災害による教育研究遂行上の障害を取り除き,教育研究活動等の実施を確保すること。

 (3)学校等及び社会教育施設等の土地,施設及び設備(以下「文教施設等」という。)並びに研究開発機関等及び所管機関等の土地,施設及び設備の防護,復旧を図ること。

 (4)国民保護措置等に関する研究活動等の効率化と推進を図ること。

 (5)武力攻撃に伴って,原子力事業所外へ放出される放射性物質又は放射線による被害(以下「武力攻撃原子力災害」という。)の発生及び拡大を防止し,武力攻撃原子力災害の復旧を図ること。

 (6)指定文化財等(指定文化財(文化財保護法(昭和25年法律第214号)により指定された文化財をいう。)及び文化財施設(指定文化財を収蔵又は展示している社寺その他の施設をいう。)をいう。以下同じ。)の被害を防止し,武力攻撃災害の復旧を図ること。

 (7)NBC攻撃等による被害が発生した場合には,必要な措置を講じ汚染の拡大を防止すること。

 (8)被災者の救援活動に関し,的確な連携,協力を行うこと。

 (9)その他武力攻撃事態等や緊急対処事態において武力攻撃から国民の生命,身体及び財産を保護し,並びに武力攻撃の国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるよう,文部科学省、スポーツ庁及び文化庁の組織及び機能の全てを挙げて,自ら国民保護措置等を実施するとともに,地方公共団体及び指定公共機関が実施する国民保護措置等を支援すること。

4 計画の適切な見直し及び充実

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,適時この計画の内容につき検討を加え,必要があると認めるときは,これを変更する。変更に当たっては,軽微な変更を行う場合を除いて,関係する指定行政機関の意見を聴くなど広く関係者の意見を求めるよう努める。

5 文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護計画実施要領

 この計画で定める国民保護措置等の具体的な実施体制・方法等については,別に文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護計画実施要領(以下「実施要領」という。)で定める。

第2章 国民保護措置の実施体制の確立

第1節 組織・体制等の整備

1 文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護連絡会議の設置

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁の所掌する国民保護措置を的確かつ迅速に実施するための常設の連絡調整組織として,本省に文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護連絡会議(以下「連絡会議」という。)を設置する。
 連絡会議の事務局は大臣官房文教施設企画部の協力を得て,大臣官房総務課が行う。このほか,連絡会議の組織その他連絡会議に関し必要な事項については,別に定める。

2 連絡体制及び参集体制の整備

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,武力攻撃事態等において,国民保護措置の実施体制を的確かつ迅速に確立するため,関係職員への情報伝達,非常参集等を直ちに行う。
 連絡体制,非常参集体制については,別に定める。その際,首都圏が被災し,通信が途絶した場合を考慮する。

3 国民保護措置の実施機能等の確保

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,武力攻撃事態等において,本省が国民保護措置の実施機能を果たし得るよう,庁舎の安全性の確保,非常用発電機及び燃料の確保等に努めるとともに,武力攻撃事態発生後に備えた食糧,飲料水等の備蓄に努める。

4 国民保護措置に関する職員の研修等

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,関係職員に対して,講習会の実施等を通じ,国民保護法その他の関係法令,文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護計画及び実施要領等の内容並びに武力攻撃事態等における連絡網等,国民保護措置に関して必要な知識等の周知徹底を図る。

第2節 武力攻撃事態等における活動体制の確立

1 文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護対策本部の設置

 文部科学大臣は,武力攻撃事態等において,政府に事態対策本部(以下「対策本部」という。)が設置された場合には,直ちに,本省に文部科学大臣を長とする文部科学省・スポーツ庁・文化庁国民保護対策本部(以下「省対策本部」という。)を設置する。
 省対策本部の組織,職務代理の順その他省対策本部に関し必要な事項については,別に定める。
 省対策本部を設置した場合には,対策本部,関係省庁,関係地方公共団体,指定公共機関〔放射線医学総合研究所,日本原子力研究開発機構〕等に省対策本部の連絡窓口等を通知する。

2 職員の派遣

 (1)文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官は,被災地において関係情報の収集・伝達を的確かつ迅速に行うため,必要があると認めるときは,あらかじめ指定した職員を被災地に派遣し,情報収集,被災都道府県及び被災市町村との連絡調整等を行う。

 (2)文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官は,国民保護法第29条第3項の規定により都道府県対策本部長から職員派遣の求めがあったときは,速やかに文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官が指名する職員を派遣する。

 (3)文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官は,国民保護法第151条第1項の規定により地方公共団体の長等から職員の派遣の要請があったとき,又は同法第152条第1項の職員の派遣のあっせんがあったときは,その所掌事務又は業務の遂行に著しい支障のない限り,適任と認める職員を派遣する。

3 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁を含む首都圏が被災した場合の措置

 (1)文部科学省、スポーツ庁及び文化庁を含む首都圏が被災した場合,職員及び来訪者等の避難,庁舎の安全点検,応急復旧,職員の安否の確認等の緊急対応が的確に実施されるよう,体制の整備を図る。

 (2)文部科学省、スポーツ庁及び文化庁において業務を行うことが困難な場合,対策本部との連携に十分留意し,所管の関係機関の協力を得て,代替機能を確保する措置を検討する。

第3章 国民保護措置の実施に関する基本的な方針に関する事項

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,武力攻撃事態等において,国民保護法その他の法令,国民の保護に関する基本指針(平成17年3月25日閣議決定)及びこの計画に基づき,国民の協力を得つつ,他の機関と連携協力し,文部科学省、スポーツ庁及び文化庁の所掌事務に関する国民保護措置の的確かつ迅速な実施に万全を期する。

1 基本的人権の尊重

 国民保護措置の実施に当たっては,基本的人権を尊重することとし,国民の自由と権利に制限を加えるときであっても,その制限は当該国民保護措置を実施するため必要最小限のものとし,公正かつ適正な手続の下に行う。

2 国民の権利利益の迅速な救済

 国民保護措置の実施に伴う損失補償,国民保護措置に係る不服申立て又は訴訟その他の国民の権利利益の救済に係る手続について迅速な処理が可能となるよう,必要な処理体制を確保するよう努める。
 また,これらの手続に関連する文書の作成・保存に当たっては,公文書管理法及び文部科学省行政文書管理規則に基づき適切に処理するとともに,武力攻撃災害による逸失等を防ぐために,安全な場所に確実に保管する等特段の配慮を払う。

3 国民に対する情報提供

 学校等の被害状況,活動状況及び国民保護措置の実施状況等について,記者発表やインターネット等により,正確な情報を適時かつ適切に提供する。

4 関係機関相互の連携協力の確保

 この計画の実施に当たっては,関係行政機関,地方公共団体,及び所管の関係機関との間で,平素より密接な連携を図り,国民保護措置が総合的かつ有機的に実施されるよう努める。
 また,都道府県知事等から,文部科学省、スポーツ庁及び文化庁の国民保護措置の実施に関し要請があった場合は,その要請の趣旨を尊重し,必要がある場合には速やかに所要の措置を講ずる。

5 安全の確保

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,国民保護措置の実施に従事する職員について,その内容に応じ,武力攻撃の状況その他必要な情報の提供を行うほか,緊急時の連絡及び応援の体制を確立すること等により,国民保護措置の実施に従事する者の安全の確保に十分に配慮する。

第4章 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁が実施する国民保護措置に関する事項

第1節 平素からの備え

1 所管の関係機関における計画等の整備

 (1)所管の関係機関において,武力攻撃事態等における安全確保及び教員又は職員の参集・情報連絡体制並びに平素からの教員又は職員の安全指導体制等に関する計画又は対応マニュアル等の整備が図られるよう,所管の関係機関の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

 (2)学校等における計画等の作成については,武力攻撃事態別の避難,保護者への引渡し又は学校等での保護方策等,児童生徒等の安全確保が適切に行われるものとなるよう留意するとともに,学校等が避難所となった場合の運営方法,施設使用上の留意点も含め,国民保護対策担当部局やPTA,自主防災組織等と連携しつつ,適切な計画等が作成されるよう,学校等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。
 特に,障害のある児童生徒等への対応については,平素より,一人一人の障害の状態に応じた避難誘導体制の整備が適切になされるよう,学校等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

2 国民保護措置に関する啓発

 (1)所管の関係機関に対して,国民保護措置の重要性及び国民保護措置に関する訓練の必要性に関して啓発を図る。

 (2)武力攻撃事態等における児童生徒等の安全の確保及び事態対応能力育成のため,児童生徒等に対して,国民保護措置の重要性についての啓発や必要な安全教育が行われるとともに,児童生徒等のボランティア精神が培われるよう,学校等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

 (3)武力攻撃事態等における児童生徒等及び教職員の安全の確保及び事態対応能力育成のため,学校等の教職員に対して,国民保護措置に関する知識のかん養及び応急処置,カウンセリング等の技能の向上を図るよう,学校等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

 (4)社会教育施設等及びPTA,婦人団体等社会教育関係団体その他の関係団体に対し,これらの団体の諸活動を通じた国民保護措置に関する意識の啓発について,指導及び助言を行う。

 (5)学校教育や社会教育などの様々な機会を通じて,地方公共団体及び日本赤十字社等と協力しつつ,ジュネーヴ諸条約及び同第一追加議定書に基づく武力攻撃事態等における標章等の使用の意義等についての啓発が図られるよう,学校等及び社会教育施設等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

3 国民保護措置に関する訓練

(1)文部科学省、スポーツ庁及び文化庁における国民保護措置に関する訓練

 具体的な事態を想定し,この計画に基づき,情報収集,伝達訓練,非常参集訓練,本部設置訓練,応急対策訓練等の必要な訓練を実施する。その際,国民保護措置と防災のための措置との間で相互に応用が可能な項目について,防災訓練と有機的に連携させるよう配慮する。
 また,政府の総合訓練,関係機関の行う訓練に積極的に関係職員を参加させ,国民保護措置に関する業務の連携に努める。

(2)学校等における国民保護措置に関する訓練の推進

 学校等において,地域の国民保護措置に関する計画に基づき,家庭や地域,関係機関との連携を図りつつ,児童生徒等,学校等及び地域の実情に即して,多様な場面を想定した避難訓練,情報伝達訓練等の国民保護措置に関する必要な訓練の実施が図られるよう,学校等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

(3)社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等における国民保護措置に関する訓練の推進

 社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等において,武力攻撃事態等及び緊急対処事態への対応能力向上を図るため,効果的な訓練が行われるよう,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

4 武力攻撃災害の予防対策

 (1)武力攻撃による文教施設等並びに研究開発機関等及び所管機関等の土地,施設及び設備の被害を防止し,人命の安全及び教育研究活動等の円滑な遂行を確保するため,これらの施設等の安全性の向上が図られるよう,学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,指導及び助言並びに援助を行う。

 (2)武力攻撃事態等において学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等における消防,避難及び救助が的確かつ迅速に実施されるよう,必要な施設及び設備等の整備について,学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,指導及び助言並びに援助を行う。
 また,地域の国民保護計画に避難所として位置付けられた文教施設等については,周辺住民を収容することも想定し,教育研究施設としての機能に留意しつつ,必要な防災機能の整備,充実が図られるよう,学校等及び社会教育施設等の設置者等に対し,指導及び助言並びに援助を行う。

 (3)別表に掲げる生物剤及び毒素を取り扱う施設を把握する。生物剤及び毒素を取り扱う生活関連等施設の安全確保の留意点については,科学的知見の集積などを反映し,適宜見直しを検討する。
 また,火薬類,高圧ガス,生物剤及び毒素その他の危険物質等を管理する学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等において,これらに伴う被害を防止するため,関係法令に従い,適切な予防措置が講じられるよう,学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,生活関連等施設の所管省庁が定める安全確保の留意点などに基づき,指導及び助言を行う。

5 国民保護措置に関する研究活動等の効率化と強化

 (1)NBC攻撃への対応その他国民保護措置に資する研究活動等を促進するため,大学等及び関係の研究開発機関等の連携を推進すること等により,共同研究の促進,研究情報の交換等の促進,その他研究活動等の効率化と強化を図るよう必要な措置を講じ,又は研究活動等の効率化と強化について大学等及び関係の研究開発機関等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

 (2)NBC攻撃への対応その他国民保護措置に資する専門的知見や技術シーズをいち早く探しだすため,関連する科学技術情報を広く収集して把握することにより,必要な際に必要な知識を迅速に提供できる知的な基盤(=知のネットワーク)の構築が進められるよう省内関係部局間の連携を図るとともに,所管の関係機関に対し指導及び助言を行う。また,これを活用して,対策に貢献しうる科学技術情報を関係省庁及び地方公共団体等へ提供することを目指す。

第2節 武力攻撃事態等への対処に関する措置

1 情報の収集及び伝達

(1)武力攻撃の兆候等に係る情報の入手及び伝達

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,所管の関係機関から武力攻撃の兆候等に係る情報を入手したときは,直ちに対策本部(内閣官房)に報告する。

(2)警報の通知及び伝達

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,対策本部長より警報の通知を受けた場合には,その内容を所管の指定公共機関〔放射線医学総合研究所,日本原子力研究開発機構〕に直ちに通知するとともに,所管の関係機関の設置者等に速やかに伝達を行う。また,警報の解除が行われたときも同様とする。
 警報を通知又は伝達する所管の関係機関の連絡先,連絡方法等については実施要領で定める。

(3)被災情報の把握及び伝達

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,別に定める実施要領により被災情報について被災地域の所管の関係機関から必要な情報を収集し,省対策本部に報告する。
 情報の収集は災害発生後,できるだけ迅速に行い,順次精度を上げるよう努める。
 省対策本部は,報告を受けた被災情報について,速やかに対策本部長に報告する。
 所管の関係機関において,各々の計画に基づき武力攻撃事態等に対する所要の応急措置が講ぜられるよう,所管の関係機関の設置者等に対し,必要な情報の伝達を行う。

2 国民保護措置に関する広報活動

 所管の関係機関の被害状況,活動状況,応急対策の措置状況等,災害対策上必要な情報について,必要に応じ,インターネットや新聞,テレビ,ラジオその他の報道機関を通じ,正確に伝達するよう努める。

3 安全の確保に関する措置

(1)避難措置の指示の通知及び伝達

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,対策本部長より避難措置の指示に関する通知を受けたときは,通知の内容を所管の指定公共機関〔放射線医学総合研究所,日本原子力研究開発機構〕に直ちに通知するとともに,所管の関係機関の設置者等に速やかに伝達を行う。

(2)児童生徒等,教職員,患者等,職員及び利用者の安全の確保

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,所管の関係機関から児童生徒等,教職員,患者等,職員及び利用者の生命,身体の安全を図るため必要な支援の求めがあったときは,指導,助言,連絡体制の強化,資機材の提供,職員の派遣など必要な支援を行う。

4 所管の関係機関による安否情報の収集に対する協力

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,武力攻撃事態等に至ったときに,地方公共団体の長が行う安否情報の収集等が円滑に実施されるよう,保有する所管の関係機関における安否情報を速やかに地方公共団体の長に提供するなど,地方公共団体の長が行う安否情報の収集に協力するよう努める。

5 教育研究活動に関する応急措置

(1)避難先での教育の確保

 文部科学省は,避難先での学習機会の確保,教科書の供給,授業料等の減免,奨学金の貸与,被災による生活困窮家庭の児童生徒に対する就学援助等,被災した児童生徒等に対する教育に支障が生じないように適切な措置を講ずる。
 また,避難住民等が被災地に復帰する場合には,必要に応じて,学校施設の応急復旧等適切な措置を講ずる。

(2)教育研究活動に関する応急措置に対する援助

 被災した児童生徒等の教科書の供給に関して必要な措置を講ずるとともに,必要に応じ,関係団体等に援助の要請を行う。
 また,被災した児童生徒の学用品等の支給に関して,都道府県教育委員会等に対し,指導及び助言を行う。

(3)学校給食に関する措置

 学校給食物資の確保及び非常時における給食の実施に関して,都道府県教育委員会等に対し,必要な措置を講ずるよう指導及び助言を行うとともに,必要に応じ,関係団体等に援助の要請を行う。

(4)児童生徒等の転編入学等に関する措置

 被災地から一時的に転校する児童生徒等に対し,災害の状況に応じ,速やかに転編入学の受け入れ及び教科書の供給が行われるよう必要な措置を講ずるとともに,都道府県,都道府県教育委員会及び学校等の設置者に対し,指導及び助言を行う。
 また,転校した児童生徒に対し,必要に応じて速やかに学用品等の支給が行われるよう,関係機関に対し,指導及び助言を行う。

(5)教職員の補充措置

 教職員の被災に伴う補充措置について,都道府県,都道府県教育委員会並びに学校等及び社会教育施設等の設置者に対して,助言又は支援を行う。

(6)卒業,入学試験,就職活動に対する措置

 教育に関する応急措置の期間が卒業,入学試験,就職等の時期に及ぶ場合は,必要に応じ,その円滑な実施のため適切な措置を講ずるとともに,都道府県,都道府県教育委員会及び学校等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

6 施設及び設備に関する応急措置

(1)文部科学省、スポーツ庁及び文化庁が管理する施設及び設備

 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁は,管理する施設及び設備について,被害が発生した場合には,安全の確保に配慮した上で,応急の復旧のために必要な措置を講ずる。

(2)所管の関係機関が管理する施設及び設備

 所管の関係機関が管理する施設及び設備について,避難措置の解除後,施設・設備の安全点検をできるだけ早急に行い,被災により所管の関係機関の活動の実施が困難となった場合は,危険建物の撤去,応急復旧や仮設校舎の設置等の必要な措置が講じられるよう,所管の関係機関に対し,指導及び助言を行う。
 また,施設・設備の安全点検に関し,被災地域の所管の関係機関の要請に基づき,必要に応じ,技術職員の派遣等技術的支援の実施に努める。

7 武力攻撃災害発生後における清掃防疫その他の保健衛生

 武力攻撃災害発生後における学校等の児童生徒等及び教職員,大学病院の職員及び患者等,社会教育施設等の職員及び利用者並びに研究開発機関等及び所管機関等の職員等の保健衛生に留意し,建物内外の清掃,飲料水の浄化及び伝染病の予防等の措置並びにそれらに必要な防疫用薬剤及び機材の確保が適切に行われるよう,所管の関係機関に対し,指導及び助言を行う。

8 武力攻撃災害に対する危険物質等の保安

 (1)学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等において管理する火薬類,高圧ガス,生物剤及び毒素その他の危険物質等の武力攻撃災害発生時における保安のため,管理上必要な措置に関し,学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

 (2)生物剤及び毒素の管理に関し,国民保護法第103条の規定に基づき,以下の措置をとる。

  • ア.武力攻撃事態等において,生物剤及び毒素に係る武力攻撃災害の発生を防止するために必要があると認めるときは,この計画等に基づき武力攻撃災害の発生を防止するため必要な措置を講じる。
  • イ.上記の場合において,生物剤及び毒素を保有する大学,高等専門学校,専修学校,各種学校,研究開発機関等及び所管機関等に対し,生物剤及び毒素の管理場所の警備の強化を求める。
  • ウ.生物剤及び毒素に係る武力攻撃災害の発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは,大学,高等専門学校,専修学校,各種学校,研究開発機関等及び所管機関等に対し以下の措置を講ずることを命ずる。
    1. 生物剤及び毒素の取扱所の全部または一部の使用の一時停止又は制限
    2. 生物剤及び毒素の製造,引渡し,貯蔵,移動,運搬又は消費の一時禁止又は制限
    3. 生物剤及び毒素の所在場所の変更又はその廃棄
  • エ.必要があると認めるときは大学,高等専門学校,専修学校,各種学校,研究開発機関等及び所管機関等に対し,生物剤及び毒素の管理の状況について報告を求める。
  • オ.上記の規定は,生物剤及び毒素に係る武力攻撃災害が発生した場合において,汚染の拡散の防止及び軽減するときについて準用する。

9 被災者の救護活動への連携,協力

(1)避難所の円滑な運営等に関する国民保護対策担当部局との連携

 学校等及び社会教育施設等が避難所となる場合は,早期の教育機能の回復に配慮しつつ,円滑な運営等に関し都道府県及び市町村の国民保護対策担当部局との連携が図られるよう,学校等及び社会教育施設等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

(2)物資等の援助

 被災地域の関係機関の要請に基づき,必要に応じ,物資,食料,被災者受け入れ施設の提供等の援助の促進が図られるよう,所管の関係機関に対し,協力を要請する。
 また,必要に応じ,炊き出しについて,関係都道府県並びに学校等及び社会教育施設等の設置者等に対し,協力を要請する。

(3)教職員の救援活動等への配慮

 被災後の状況に応じ,教職員が国民保護措置に関する救援業務に積極的に協力できるよう,所管の関係機関及び都道府県教育委員会等に対し配慮を要請する。
 また,公立学校の教職員が,国民保護措置に関する救援業務に従事する場合の人的支援体制の整備について,都道府県教育委員会等に対し,指導及び助言を行う。

(4)武力攻撃事態等への対処に関する研究者の協力

 武力攻撃事態等への対処に関し関係の専門知識を有する研究者等が積極的に協力できるよう,必要に応じ,学校等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し配慮を要請する。

(5)学生ボランティアへの支援

 学生がボランティア活動に参加しやすいような環境づくりをするよう,必要に応じ,大学等に対し要請する。

(6)ボランティアの活動拠点設置への協力

 学校等及び社会教育施設等の施設が災害時のボランティアの活動拠点として利用される場合は,国民保護対策担当部局等に協力し,円滑な活動が行われるよう,必要に応じ,学校等及び社会教育施設等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

10 赤十字標章等及び特殊標章等の交付等

 文部科学大臣、スポーツ庁及び文化庁長官は,赤十字標章等及び特殊標章等に係る事務の運用に関するガイドライン(平成17年8月2日赤十字標章等、特殊標章等に係る事務の運用に関する関係省庁連絡会議申合せ)に基づき,別に定める交付要綱により,以下のとおり,赤十字標章等及び特殊標章等を交付し,又は使用させる。

(1)赤十字標章等
  • ア.交付等の対象者
    1. 避難住民等の救援の支援を行う文部科学大臣が所管する医療機関
    2. 避難住民等の救援の支援を行う文部科学省の職員である医療関係者
    3. 1.及び2.に定める対象者以外の文部科学大臣の所管する医療機関である指定公共機関〔放射線医学総合研究所〕
    4. 1.から3.までに定める対象者の委託により医療にかかる業務(捜索,収用,輸送等)を行う者
  • イ.赤十字標章等の様式等
    1. 赤十字等の標章
      • 国民保護法第157条第2項の白地に赤十字等の標章
    2. 身分証明書
      • 国民保護法第157条第1項の身分証明書(様式のひな型は下記のとおり)
    3. 識別対象
      • 医療を行う医療関係者
      • 医療を行う医療機関
      • 医療に係る職務のために使用される場所又は車両,船舶,航空機等

(白地に赤十字の標章)と(医療を行う医療関係者の身分証明書のひな型)
(白地に赤十字の標章) (医療を行う医療関係者の身分証明書のひな型)

(2)特殊標章等
  • ア.交付等の対象者
    1. 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁の職員で国民保護措置に係る職務を行う者
    2. 文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官の委託により国民保護措置に係る業務を行う者
    3. 文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官が実施する国民保護措置の実施に必要な援助について協力する者
  • イ.特殊標章等の様式等
    1. 特殊標章
      • 国民保護法第158条第1項の特殊標章(オレンジ色地に青の正三角形)
    2. 身分証明書
      • 国民保護法第158条第1項の身分証明書(様式のひな型は下記のとおり)
    3. 識別対象
      • 文部科学省、スポーツ庁及び文化庁の職員で国民保護措置に係る職務を行う者
      • 文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官の委託により国民保護措置に係る業務を行う者
      • 文部科学大臣、スポーツ庁長官及び文化庁長官が実施する国民保護措置の実施に必要な援助について協力する者
      • 国民保護措置に係る職務等のために使用される場所又は車両,船舶,航空機等

(オレンジ色地に青の正三角形)  (国民保護措置に係る職務等を行う者用の身分証明書のひな型)
(オレンジ色地に青の正三角形)  (国民保護措置に係る職務等を行う者用の身分証明書のひな型)

第3節 武力攻撃災害の復旧に関する措置

1 復旧,復興事務体制の整備

(1)文部科学省・スポーツ庁・文化庁復興対策本部,復興対策班

 武力攻撃災害の復旧,復興対策について万全の措置を講ずるため,特に必要があると認めるときは,本省に文部科学省・スポーツ庁・文化庁復興対策本部を設置する。
 また,武力攻撃災害の復旧,復興対策に関する事務の連絡調整を円滑に行うため,文部科学省・スポーツ庁・文化庁復興対策班を設置することができる。

(2)文部科学省・スポーツ庁・文化庁武力攻撃災害復旧現地調査対策室

 災害復旧に当たり,調査等を迅速に実施するため,特に必要があると認めるときは,本省に文部科学省・スポーツ庁・文化庁武力攻撃災害復旧現地調査対策室を設置することができる。

2 文教施設等の復旧

(1)復旧事業の促進

 被災した文教施設等,研究開発機関等及び所管機関等の土地,施設及び設備について,可能な限り的確かつ迅速な復旧事業の促進が図られるように,学校等,社会教育施設等, 研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

(2)技術的支援の実施

 被災地域の所管の関係機関の要請に基づき,必要に応じ,武力攻撃災害の復旧計画等の策定に関し,技術職員の派遣等技術的支援の実施に努める。

(3)災害復旧に関する措置

 文教施設等並びに研究開発機関等及び所管機関等の土地,施設及び設備の武力攻撃災害の復旧事業について,武力攻撃事態の態様,武力攻撃災害による被災状況等を勘案しつつ,関係省庁と連携,協力しながら,武力攻撃災害の復旧に関する必要な措置を的確かつ迅速に講ずるとともに,学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

3 教育研究活動等の再開

(1)教育研究活動等の早期再開

 被災地域の学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等において,被災後,可能な限り早期に教育研究活動等が再開できるよう,学校等,社会教育施設等,研究開発機関等及び所管機関等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。
 学校等が避難所となった場合においては,都道府県及び市町村の国民保護対策担当部局と密接に連携をとり,避難者の状況に十分配慮しつつ,教育活動の早期の再開を図るよう,学校等の設置者等に対し,指導及び助言を行う。

(2)児童生徒等及び教職員に対する援助

 教育活動の再開に当たって,児童生徒等及び教職員に対する援助を行うため,次の措置を講ずるとともに,都道府県教育委員会等に対し,指導及び助言を行う。

  • ア.就学困難な児童及び生徒に係る就学援助に関する必要な措置
  • イ.特別支援学校への就学奨励に関する必要な措置
  • ウ.就学困難になった学生等に対する学費の貸与等に関する必要な措置
  • エ.被災教職員に対する救済に関する必要な措置
(3)児童生徒等及び教職員の健康管理

 武力攻撃災害の後,外傷後ストレス障害等児童生徒や教職員の心身の健康状態を把握するとともに,心身の健康管理に留意するよう,都道府県教育委員会等に対し,指導及び助言を行う。
 被災により,精神的に大きな障害を受けた児童生徒等の心の健康の問題に対応するため,健康相談等の支援体制の整備に関し,都道府県教育委員会等に対し,指導及び助言等の措置を行う。

(4)学生生活の支援

 武力攻撃災害により,下宿,アパート等居住場所を失った学生,生徒に対し,必要に応じ,住宅を確保するため,所管の関係機関に支援を要請するとともに,大学等において住宅情報の提供,あっせんが行われるよう指導及び助言を行う。
 被災した外国人留学生が所期の留学目的を達成できるように,必要な支援措置を講ずるよう努めるとともに,大学等に対し,指導及び助言を行う。

4 武力攻撃事態等への対処に関する研究活動の推進

 大学及び研究開発機関等における武力攻撃事態等への対処に関する研究活動を推進するため,必要な措置を講ずる。

第4節 医療活動の実施に関する措置

1 平素からの備え

(1)備蓄

 文部科学省は,大学病院に対し,武力攻撃災害が発生した場合に備え,平素からNBC攻撃も想定しつつ,必要な医薬品,医療資機材等の備蓄に努めるよう促す。また,武力攻撃災害への対処に関する措置等のために必要な特殊な薬品等のうち大学病院において備蓄・調達体制を整備することが合理的と考えられるものを必要に応じて備蓄し,若しくは調達体制を整備し,又はその促進に努めるよう促す。

(2)訓練

 文部科学省は,大学病院に対し,国又は地方公共団体が実施する国民保護措置に関する訓練への参加に努めるよう要請する。

2 武力攻撃事態等への対処に関する措置

(1)医療の提供

 文部科学省は,大学病院に対し,国あるいは地方公共団体の長からの依頼に基づいて,救護班(医師,看護師,助産師等で構成する救護班)を編成し,派遣するよう要請するとともに,自らの医療施設等において医療活動を実施するよう要請する。

(2)運送の求め等
  • ア.救護班等の運送
     文部科学省は,救護班の緊急輸送及び広域後方医療施設への傷病者の搬送について,必要に応じ,関係省庁(国土交通省,警察庁,防衛省,消防庁,海上保安庁)に輸送手段の優先的確保などの特段の配慮を依頼する。
  • イ.緊急物資の運送の求め
     文部科学省は,必要に応じ,運送事業者である指定公共機関に対し,緊急物資の運送の求めを行う。
(3)医療活動等を実施する際に特に留意すべき事項
  • ア.核攻撃等の場合の医療活動
     文部科学省は,対策本部等の要請に基づき,放射線医学総合研究所の派遣する医療従事者等からなる緊急被ばく医療派遣チームの現地への派遣に協力するとともに,大学病院に対し,医師,看護師,診療放射線技師,薬剤師等の必要な人員の現地医療機関への派遣や,放射線医学総合研究所等で受診した相当程度の汚染・被ばく患者に対する追跡調査等を放射線医学総合研究所が行う場合,これへの協力について要請する。
  • イ.生物剤による攻撃の場合の医療活動
     文部科学省は,大学病院に対し,使用された病原体等の特性に応じた診断及び治療方法の情報提供,診断及び治療に関する技術的助言を行う専門家の派遣を行うとともに,公的医療機関及び民間医療機関に対し,救急医療派遣チームの現地への派遣を行うよう要請する。
  • ウ.化学剤による攻撃の場合の医療活動
     文部科学省は,大学病院に対し,救急医療派遣チームの派遣,救護班の編成など,生物剤による攻撃の場合と同様に医療活動を行うよう要請する。

3 武力攻撃災害の復旧に関する措置

 文部科学省は,大学病院に対し,安全の確保に配慮した上で,武力攻撃災害発生後可能な限り速やかに,それぞれの所管する施設及び設備の緊急点検を実施するとともに,これらの被害状況等を把握し,被害の拡大防止及び患者の入院環境の確保を最優先に応急の復旧を行うよう要請する。
 また,武力攻撃災害が発生した場合に備えあらかじめ備蓄していた必要な医薬品,医療資機材等について,再整備に努めるよう要請する。

第5節 放射性同位元素等取扱施設等の安全確保等

1 平素からの備え

(1)連絡体制の整備

 夜間,休日の場合等においても対応できる情報の収集,連絡体制,非常参集体制の一層の整備,充実を図る。

(2)教育,訓練

 関係省庁マニュアル(内閣官房が関係省庁と協力して策定する武力攻撃原子力災害に際しての関係省庁との連絡方法,初期動作等を定めたマニュアルをいう。以下同じ。)の整備に協力する。さらに,必要に応じて応急活動のための危機管理マニュアルを作成し,職員に周知する。
 また,国,地方公共団体,原子力事業者等が共同して又はそれぞれが行う国民保護措置に関する訓練に参画する。

(3)緊急被ばく医療体制の構築への支援

 放射線医学総合研究所及び国立大学法人広島大学と相互に連携し,緊急被ばく医療体制の構築を支援する。

2 武力攻撃原子力災害への対処に関する措置

(1)武力攻撃原子力災害時の職員の派遣等

 対策本部又は関係地方公共団体等の要請に基づき,対策本部,武力攻撃事態等現地対策本部及び武力攻撃原子力災害合同対策協議会等への職員の派遣を行うとともに,放射線医学総合研究所及び日本原子力研究開発機構などの関係機関等の専門家の現地への派遣に協力を行う。

(2)緊急被ばく医療

 必要に応じ,放射線医学総合研究所の医療関係者等からなる緊急被ばく医療派遣チームの現地への派遣に協力する。同チームは都道府県の国民保護対策本部のもとで,被ばく患者(被ばくしたおそれのある者を含む。)に対する診断及び処置について,現地医療関係者等を指導するとともに,自らもこれに協力して医療活動を行う。また,大学病院に対しても,同チームと同様の活動を行うよう要請する。

第6節 指定文化財等の保護に関する措置

1 平素からの備え

(1)国民保護措置に関する啓発

 指定文化財等の所有者等(所有者,管理責任者又は管理団体をいう。以下1(2)から(4)まで及び3において同じ。)に対し,国民保護措置に関する意識の啓発を図る。

(2)災害発生時における緊急措置等について定めた指針の内容の周知

 災害発生時における緊急措置等について定めた「重要文化財(建造物)耐震診断指針(平成13年3月文化庁文化財部編)」及び「文化財(美術工芸品等)の防災に関する手引(平成9年6月文化庁文化財保護部編)」を所有者等に対し周知することに努め,日常的な防災体制の確立を図ることを通じて,武力攻撃事態等における指定文化財等の保護を図る。

(3)教育,訓練

 毎年1月26日の「文化財防火デー」において全国的に推進する文化財防火運動や,この運動の一環として行われる防火実地訓練において,必要な国民保護措置に関する訓練についても配慮するよう,指定文化財等の所有者等に対し,指導及び助言を行う。

(4)武力攻撃災害の予防対策

 指定文化財等の武力攻撃災害の予防対策について,第4章第1節4(1)及び(2)に準じた措置が講じられるよう,指定文化財等の所有者等に対し,指導及び助言を行う。

(5)重要文化財等の被害を防止するための命令又は勧告を行う場合等の手続等の周知

 国民保護法第125条の規定に基づき重要文化財等(重要文化財,重要有形民俗文化財又は史跡名勝天然記念物をいう。以下同じ。)の被害を防止するための命令又は勧告を行う場合等の以下の手続等について,重要文化財等の所有者等(所有者,管理責任者,管理団体又は文化財保護法第172条第1項の規定により重要文化財等を管理する地方公共団体その他の法人をいう。以下1(5)及び2(3)において同じ。)に周知することに努める。

  • ア.武力攻撃災害による重要文化財等の被害を防止するための命令又は勧告については,当該重要文化財等の滅失,き損その他の被害を防止するため特に必要があると認めるときに,原則として都道府県の教育委員会(当該重要文化財等が指定都市の区域内に存する場合にあっては、当該指定都市の教育委員会)を経由して所有者等に行うこととなること。
  • イ.重要文化財等の所有者等が文化庁長官に対し支援を求める場合には,原則として,必要な書面等(当該重要文化財等の名称,現在の所在の場所,所有者等の氏名等及び支援を必要とする理由等を記載した書面並びに現状の写真又は図面等)をもって行うとともに,都道府県の教育委員会(当該重要文化財等が指定都市の区域内に存する場合にあっては、当該指定都市の教育委員会)を経由して文化庁長官に提出することとなること。
  • ウ.文化庁長官は,国宝又は特別史跡名勝天然記念物(以下「国宝等」という。)について,所有者等が命令に従わないとき,又は所有者等に滅失,き損その他の被害を防止するための措置を講じさせることが適当でないと認めるときは,自ら又は都道府県の教育委員会に対し全部又は一部を委託することにより,所要の措置を講ずることとなること。
    また,当該措置をしようとするときは,文化庁長官(都道府県の教育委員会が委託に基づいて措置を講ずる場合は,当該都道府県の教育委員会)は,あらかじめ,所有者等に対し必要な事項を記載した令書を交付するとともに,権原に基づく占有者に通知することとなること。また,当該措置をするときは,文化庁(都道府県の教育委員会が委託に基づいて措置を講ずる場合は,当該都道府県の教育委員会)の職員のうちから,当該措置の施行及び当該国宝等の管理の責に任ずべき者を定めるものとし,当該者は,当該措置の施行に当たるときは,その身分を証明する証票を携帯し,関係者の請求があったときは,これを示し,かつ,その正当な意見を十分に尊重しなければならないこと。

2 武力攻撃事態等への対処に関する措置

(1)情報の収集及び伝達等

 武力攻撃事態等における指定文化財等に関する情報の収集及び伝達,広報活動,安全の確保に関する措置並びに安否情報の収集に対する協力については,第4章第2節1から4までの定めるところによる。

(2)応急措置

 武力攻撃災害を受けた指定文化財等については,必要な応急措置を迅速に講ずるとともに,都道府県及び市町村に対し指導及び助言を行う。

(3)重要文化財等の被害を防止するための措置

 国民保護法第125条の規定に基づき,文化庁長官は,武力攻撃災害による重要文化財等の被害を防止するため特に必要があると認めるときは,所有者等に対し,所在の場所又は管理の方法の変更等の措置を命じ,又は勧告するとともに,所有者等が支援を求めた場合には,必要な支援を行う。
 また,国宝等の所有者等が命令に従わないとき等においては,1(5)ウの手続にのっとり,自ら又は都道府県の教育委員会に対し全部又は一部を委託することにより,所要の措置を講ずる。
 さらに,連絡会議における連絡体制の整備等を踏まえ,必要な措置を的確かつ迅速に実施するとともに,文化庁長官が命令又は勧告等を行った場合には,直ちに省対策本部又は対策本部に報告するよう努める。

3 武力攻撃災害の復旧に関する措置

 武力攻撃災害を受けた指定文化財等の復旧について,武力攻撃事態等の態様,武力攻撃災害による被災状況等を勘案しつつ,関係省庁と連携,協力しながら,武力攻撃災害の復旧に関する必要な措置を的確かつ迅速に講ずるとともに,指定文化財等の所有者等に対し,指導及び助言を行う。

第5章 緊急対処保護措置の実施に関し必要な事項

1 緊急対処事態対策本部の設置

 文部科学大臣は,政府に緊急対処事態対策本部が設置された場合には,直ちに,本省に文部科学大臣を長とする文部科学省・スポーツ庁・文化庁緊急対処事態対策本部(以下「省緊急対処事態対策本部」という。)を設置する。
 省緊急対処事態対策本部の組織その他省緊急対処事態対策本部に関し必要な事項については,別に定める。

2 緊急対処保護措置の実施等

 緊急対処保護措置の実施体制並びに措置の内容及び実施方法については,本計画第2章から第4章までの定めに準じて適宜行う。
 この場合において,国民保護法第45条第1項の規定により対策本部長から警報の通知を受けたときは,対策本部長が決定する警報の通知・伝達の対象となる地域の範囲に応じて,指定公共機関〔放射線医学総合研究所,日本原子力研究開発機構〕に直ちに通知するとともに,所管の関係機関の設置者等に速やかに伝達を行う。また,警報の解除が行われたときも同様とする。

別表 生活関連等施設の安全確保の留意点の対象となる生物剤及び毒素

1 人に病原性を有する生物剤及び毒素

(1)ウイルス

 アルファウイルス属(チクングニヤウイルス,西部ウマ脳炎ウイルス,東部ウマ脳炎ウイルス,ベネズエラウマ脳炎ウイルス),アレナウイルス属(ガナリトウイルス,サビアウイルス,チャパレウイルス,フニンウイルス,マチュポウイルス,ラッサウイルス),インフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルス(血清亜型がH2N2,H5N1,H7N7若しくはH7N9であるもの(新型インフルエンザ等感染症の病原体を除く。)又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に限る。),エボラウイルス属(アイボリーコーストエボラウイルス,ザイールウイルス,スーダンエボラウイルス,ブンディブギョエボラウイルス,レストンエボラウイルス),エンテロウイルス属ポリオウイルス,オルソポックスウイルス属(サル痘ウイルス,痘そうウイルス),シンプレックスウイルス属Bウイルス,ナイロウイルス属クリミア・コンゴ出血熱ウイルス,ハンタウイルス属(アンデスウイルス,シンノンブレウイルス,ソウルウイルス,ドブラバーベルグレドウイルス,ニューヨークウイルス,バヨウウイルス,ハンタンウイルス,プーマラウイルス,ブラッククリークカナルウイルス,ラグナネグラウイルス),フラビウイルス属(ウエストナイルウイルス,デングウイルス,黄熱ウイルス,オムスク出血熱ウイルス,キャサヌル森林病ウイルス,日本脳炎ウイルス,ダニ媒介脳炎ウイルス),フレボウイルス属(SFTSウイルス,リフトバレー熱ウイルス),ベータコロナウイルス属(MERSコロナウイルス,SARSコロナウイルス)ヘニパウイルス属(ニパウイルス,ヘンドラウイルス),A型肝炎ウイルス,E型肝炎ウイルス,マールブルグウイルス属レイクビクトリアマールブルグウイルス,リッサウイルス属狂犬病ウイルス,リッサウイルス属のウイルス(狂犬病ウイルスを除く。),リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス

※新型インフルエンザ等感染症とは,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第7項の新型インフルエンザ等感染症をいう。

(2)細菌(クラミジア,リケッチアを含む。)

 腸管出血性大腸菌(血清型026,045,0103,0104,0111,0121,0145及び0157),ペスト菌,オウム病クラミジア,ボツリヌス菌,オリエンチア属ツツガムシ,コクシエラ属バーネッティ,サルモネラ属エンテリカ(血清亜型がタイフィ),サルモネラ属エンテリカ(血清亜型がパラタイフィA),赤痢菌,ジフテリア菌,炭疽菌,鼻疽菌,類鼻疽菌,バルトネラ属クインタナ,コレラ菌(血清型がO1又はO139であるものに限る。),イヌ流産菌,ウシ流産菌,ブタ流産菌,マルタ熱菌,ボレリア属デュトニイ(その他ダニが媒介するボレリア属の細菌),ボレリア属ブルグドルフェリ,ボレリア属レカレンティス(その他シラミが媒介するボレリア属の細菌),結核菌,野兎病菌,発疹チフスリケッチア,日本紅斑熱リケッチア,ロッキー山紅斑熱リケッチア,レジオネラ属の細菌,レプトスピラ属の細菌

(3)真菌

 コクシディオイデス属イミチス

(4)原生動物(寄生虫を含む。)

 クリプトスポリジウム属パルバム(遺伝子型が1型又は2型であるものに限る。),多包条虫,単包条虫,熱帯熱マラリア原虫,三日熱マラリア原虫,四日熱マラリア原虫,卵形マラリア原虫

(5)毒素

 アフラトキシン,アブリン,ウェルシュ菌毒素,黄色ブドウ球菌毒素(腸管毒素,アルファ毒素及び毒素性ショック症候群毒素),コノトキシン,コレラ毒素,志賀毒素(ベロ毒素),ジアセトキシスシルペノール毒素,テトロドトキシン,ビスカムアルバムレクチン,ボツリヌス毒素,ボルケンシン,ミクロシスチン,モデシン,HT―2トキシン,T―2トキシン

2 家畜に病原性を有する生物剤

 牛疫ウイルス,牛肺疫菌,口蹄疫ウイルス,アフリカ馬疫ウイルス,小反芻獣疫ウイルス,豚コレラウイルス,アフリカ豚コレラウイルス,高病原性鳥インフルエンザウイルス,低病原性鳥インフルエンザウイルス

(参考) 新旧対照表

平成19年1月9日 18文科施第434号 変更

  • 文部科学省・文化庁国民保護計画 新旧対照表(平成19年1月9日変更)(PDF:8KB)

平成19年10月5日 19文科施第248号 変更

  • 文部科学省・文化庁国民保護計画 新旧対照表(平成19年10月5日変更)(PDF:130KB)

平成20年10月24日 20文科施第303号 変更

  • 文部科学省・文化庁国民保護計画 新旧対照表(平成20年10月24日変更)(PDF:16KB)

平成21年11月11日 21文科施第155号 変更

平成25年3月22日 24文科総第287号 変更

平成26年5月9日 26文科総第14号 変更

平成27年4月1日 26文科総第211号 変更

平成27年12月15日 27文科総第177号 変更

平成28年3月29日 27文科総第250号 変更

お問合せ先

大臣官房総務課法令審議室

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