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博物館の設置及び運営上の望ましい基準(平成23年12月20日文部科学省告示第165号)

(趣旨)

第一条 この基準は、博物館法(昭和二十六年法律第二百八十五号)第八条の規定に基づく博物館の設置及び運営上の望ましい基準であり、博物館の健全な発達を図ることを目的とする。
2 博物館は、この基準に基づき、博物館の水準の維持及び向上を図り、もって教育、学術及び文化の発展並びに地域の活性化に貢献するよう努めるものとする。

(博物館の設置等)

第二条 都道府県は、博物館を設置し、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等多様な分野にわたる資料(電磁的記録を含む。以下同じ。)を扱うよう努めるものとする。
2 市(特別区を含む。以下同じ。)町村は、その規模及び能力に応じて、単独で又は他の市町村と共同して、博物館を設置するよう努めるものとする。
3 博物館の設置者が、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二第三項の規定により同項に規定する指定管理者に当該博物館の管理を行わせる場合その他当該博物館の管理を他の者に行わせる場合には、これらの設置者及び管理者は相互の緊密な連携の下に、当該博物館の事業の継続的かつ安定的な実施の確保、事業の水準の維持及び向上を図りながら、この基準に定められた事項の実施に努めるものとする。

(基本的運営方針及び事業計画)

第三条 博物館は、その設置の目的を踏まえ、資料の収集・保管・展示、調査研究、教育普及活動等の実施に関する基本的な運営の方針(以下「基本的運営方針」という。)を策定し、公表するよう努めるものとする。
2 博物館は、基本的運営方針を踏まえ、事業年度ごとに、その事業年度の事業計画を策定し、公表するよう努めるものとする。
3 博物館は、基本的運営方針及び前項の事業計画の策定に当たっては、利用者及び地域住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。

(運営の状況に関する点検及び評価等)

第四条 博物館は、基本的運営方針に基づいた運営がなされることを確保し、その事業の水準の向上を図るため、各年度の事業計画の達成状況その他の運営の状況について、自ら点検及び評価を行うよう努めるものとする。
2 博物館は、前項の点検及び評価のほか、当該博物館の運営体制の整備の状況に応じ、博物館協議会の活用その他の方法により、学校教育又は社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者、当該博物館の事業に関して学識経験のある者、当該博物館の利用者、地域住民その他の者による評価を行うよう努めるものとする。
3 博物館は、前二項の点検及び評価の結果に基づき、当該博物館の運営の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
4 博物館は、第一項及び第二項の点検及び評価の結果並びに前項の措置の内容について、インターネットその他の高度情報通信ネットワーク(以下「インターネット等」という。)を活用すること等により、積極的に公表するよう努めるものとする。

(資料の収集、保管、展示等)

第五条 博物館は、実物、標本、文献、図表、フィルム、レコード等の資料(以下「実物等資料」という。)について、その所在等の調査研究を行い、当該実物等資料に係る学術研究の状況、地域における当該実物等資料の所在状況及び当該実物等資料の展示上の効果等を考慮して、基本的運営方針に基づき、必要な数を体系的に収集し、保管(育成及び現地保存を含む。以下同じ。)し、及び展示するものとする。
2 博物館は、実物等資料について、その収集若しくは保管が困難な場合、その展示のために教育的配慮が必要な場合又はその館外への貸出し若しくは持出しが困難な場合には、必要に応じて、実物等資料を複製、模造若しくは模写した資料又は実物等資料に係る模型(以下「複製等資料」という。)を収集し、又は製作し、当該博物館の内外で活用するものとする。その際、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)その他の法令に規定する権利を侵害することのないよう留意するものとする。
3 博物館は、実物等資料及び複製等資料(以下「博物館資料」という。)に関する図書、文献、調査資料その他必要な資料(以下「図書等」という。)の収集、保管及び活用に努めるものとする。
4 博物館は、その所蔵する博物館資料の補修及び更新等に努めるものとする。
5 博物館は、当該博物館の適切な管理及び運営のため、その所蔵する博物館資料及び図書等に関する情報の体系的な整理に努めるものとする。
6 博物館は、当該博物館が休止又は廃止となる場合には、その所蔵する博物館資料及び図書等を他の博物館に譲渡すること等により、当該博物館資料及び図書等が適切に保管、活用されるよう努めるものとする。

(展示方法等)

第六条 博物館は、基本的運営方針に基づき、その所蔵する博物館資料による常設的な展示を行い、又は特定の主題に基づき、その所蔵する博物館資料若しくは臨時に他の博物館等から借り受けた博物館資料による特別の展示を行うものとする。
2 博物館は、博物館資料を展示するに当たっては、当該博物館の実施する事業及び関連する学術研究等に対する利用者の関心を深め、当該博物館資料に関する知識の啓発に資するため、次に掲げる事項に留意するものとする。
一 確実な情報及び研究に基づく正確な資料を用いること。
二 展示の効果を上げるため、博物館資料の特性に応じた展示方法を工夫し、図書等又は音声、映像等を活用すること。
三 前項の常設的な展示について、必要に応じて、計画的な展示の更新を行うこと。

(調査研究)

第七条 博物館は、博物館資料の収集、保管及び展示等の活動を効果的に行うため、単独で又は他の博物館、研究機関等と共同すること等により、基本的運営方針に基づき、博物館資料に関する専門的、技術的な調査研究並びに博物館資料の保管及び展示等の方法に関する技術的研究その他の調査研究を行うよう努めるものとする。

(学習機会の提供等)

第八条 博物館は、利用者の学習活動又は調査研究に資するため、次に掲げる業務を実施するものとする。
一 博物館資料に関する各種の講演会、研究会、説明会等(児童又は生徒を対象として体験活動その他の学習活動を行わせる催しを含む。以下「講演会等」という。)の開催、館外巡回展示の実施等の方法により学習機会を提供すること。
二 学校教育及び社会教育における博物館資料の利用その他博物館の利用に関し、学校の教職員及び社会教育指導者に対して適切な利用方法に関する助言その他の協力を行うこと。
三 利用者からの求めに応じ、博物館資料に係る説明又は助言を行うこと。

(情報の提供等)

第九条 博物館は、当該博物館の利用の便宜若しくは利用機会の拡大又は第七条の調査研究の成果の普及を図るため、次に掲げる業務を実施するものとする。
一 実施する事業の内容又は博物館資料に関する案内書、パンフレット、目録、図録等を作成するとともに、これらを閲覧に供し、頒布すること。
二 博物館資料に関する解説書、年報、調査研究の報告書等を作成するとともに、これらを閲覧に供し、頒布すること。
2 前項の業務を実施するに当たっては、インターネット等を積極的に活用するよう努めるものとする。

(利用者に対応したサービスの提供)

第十条 博物館は、事業を実施するに当たっては、高齢者、障害者、乳幼児の保護者、外国人その他特に配慮を必要とする者が当該事業を円滑に利用できるよう、介助を行う者の配置による支援、館内におけるベビーカーの貸与、外国語による解説資料等の作成及び頒布その他のサービスの提供に努めるものとする。
2 博物館は、当該博物館の特性を踏まえつつ、当該博物館の実施する事業及び関連する学術研究等に対する青少年の関心と理解を深めるため、青少年向けの解説資料等の作成及び頒布その他のサービスの提供に努めるものとする。

(学校、家庭及び地域社会との連携等)

第十一条 博物館は、事業を実施するに当たっては、学校、当該博物館と異なる種類の博物館資料を所蔵する博物館等の他の博物館、公民館、図書館等の社会教育施設その他これらに類する施設、社会教育関係団体、関係行政機関、社会教育に関する事業を行う法人、民間事業者等との緊密な連携、協力に努めるものとする。
2 博物館は、その実施する事業において、利用者及び地域住民等の学習の成果に基づく知識及び技能を生かすことができるよう、これらの者に対し、展示資料の解説、講演会等に係る企画又は実施業務の補助、博物館資料の調査又は整理その他の活動の機会の提供に努めるものとする。

(開館日等)

第十二条 博物館は、開館日及び開館時間の設定に当たっては、利用者の要望、地域の実情、博物館資料の特性、展示の更新に係る所要日数等を勘案し、日曜日その他の一般の休日における開館、夜間における開館その他の方法により、利用者の利用の便宜を図るよう努めるものとする。

(職員)

第十三条 博物館に、館長を置くとともに、基本的運営方針に基づき適切に事業を実施するために必要な数の学芸員を置くものとする。
2 博物館に、前項に規定する職員のほか、事務及び技能的業務に従事する職員を置くものとする。
3 博物館は、基本的運営方針に基づきその事業を効率的かつ効果的に実施するため、博物館資料の収集、保管又は展示に係る業務、調査研究に係る業務、学習機会の提供に係る業務その他の業務を担当する各職員の専門的な能力が適切に培われ又は専門的な能力を有する職員が適切に各業務を担当する者として配置されるよう、各業務の分担の在り方、専任の職員の配置の在り方、効果的な複数の業務の兼務の在り方等について適宜、適切な見直しを行い、その運営体制の整備に努めるものとする。

(職員の研修)

第十四条 都道府県の教育委員会は、当該都道府県内の博物館の館長、学芸員その他職員の能力及び資質の向上を図るために、研修の機会の充実に努めるものとする。
2 博物館は、その職員を、前項の規定に基づき都道府県教育委員会が主催する研修その他必要な研修に参加させるよう努めるものとする。

(施設及び設備)

第十五条 博物館は、次の各号に掲げる施設及び設備その他の当該博物館の目的を達成するために必要な施設及び設備を備えるよう努めるものとする。
一 耐火、耐震、防虫害、防水、防塵、防音、温度及び湿度の調節、日光の遮断又は調節、通風の調節並びに汚損、破壊及び盗難の防止その他のその所蔵する博物館資料を適切に保管するために必要な施設及び設備
二 青少年向けの音声による解説を行うことができる機器、傾斜路、点字及び外国語による表示、授乳施設その他の青少年、高齢者、障害者、乳幼児の保護者、外国人等の円滑な利用に資するために必要な施設及び設備
三 休憩施設その他の利用者が快適に観覧できるよう、利用環境を整備するために必要な施設及び設備

(危機管理等)

第十六条 博物館は、事故、災害その他非常の事態(動物の伝染性疾病の発生を含む。)による被害を防止するため、当該博物館の特性を考慮しつつ、想定される事態に係る危機管理に関する手引書の作成、関係機関と連携した危機管理に関する訓練の定期的な実施その他の十分な措置を講じるものとする。
2 博物館は、利用者の安全の確保のため、防災上及び衛生上必要な設備を備えるとともに、事故や災害等が発生した場合等には、必要に応じて、入場制限、立入禁止等の措置をとるものとする。

附則
この告示は、公布の日から施行する。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成21年以前 --